ベルトはアンダーバストの位置でホックによって留められ、ブラジャー全体を固定する役割を持つ。
ホックの位置
主に以下の二つのタイプがある。
ホックが背中のほぼ中央に来るタイプ(通常)
ホックがカップの間に来るタイプ(フロントホック)
基本的にホックは、それぞれのカップから伸びたベルトの一番端につき、留めると背中のほぼ中央に来る。しかしフロントホックと呼ばれるタイプは二つのカップの間にホックがある。
このタイプは後ろに手を回す必要が無いため、リハビリ中の人や授乳中の人、あるいは体が堅かったりブラジャーを着けるのに慣れていない人などに向いている。また一般的なブラジャーに比べて背中や脇から脂肪を集めやすいので、乳房の間に谷間を作りやすいという利点がある。
ベルトの太さ
ベルトは太い方がブラジャーがずれにくいが、一方で胴が曲げにくくなるために窮屈な感じを受けやすくなる。この窮屈感を「アンダー圧」と言い、ボーン(下記)の有無・ベルトの太さや伸縮性などによって左右される。リラックスしたい時には、このアンダー圧が低いタイプが適している。
ホック1つで留まる太さ : 国産Cカップ以下で、補正力の強くないタイプ。
ホック2つで留まる太さ : 国産D以上、またはストラップ無しで使用できるタイプ。
ホック3つで留まる太さ : 国産EないしはF以上のグラマー用。
ホック4つで留まる太さ : ロングブラジャー。ホックは10個を超えることもある。
一般的なブラジャーは1cm~2cm位の太さでホックも1つ(ベルトの長さを調節するため、2~3個横に並ぶ)だが、国産ではDカップ以上でベルトが太くなり、ホックも縦に2つないしは3つ並ぶことがある。これはカップが大きくなるとブラジャーにかかる重量も増し、アンダー圧を多少上げてでもブラジャーをしっかり固定する方を重視するからである。同様の理由で、補正力の強い物やストラップを外した状態で使用できる物は、ベルトが太くなる傾向がある。特にベルトの太いタイプを「ロングブラジャー」と言い、補正力が高いためにドレスを着用するのに適しているとされる。ロングブラでホックの位置がベルトの下部のみのタイプは、背中の開きが大きなドレスでもベルトが出にくい。 また、着ヤセする女性等、見た目でバストサイズが解りづらい場合でもベルトの太さとホックの数で大体のバストサイズを判定することができるといえる。
ベルトの形状
ベルトの幅にあまり変化が無い一文字タイプ : 補正力の強くないタイプに多い。バックシルエットに癖がなく、一般によく見られるタイプ。
ストラップからU字型(アーチ型)を描いているタイプ : 補正力が強いタイプに多い。女性は機能面から選ぶことが多いが、一部の男性からは好奇の目で見られる。
ボーンの有無
肉質が柔らかい、あるいは乳房が大きい場合、乳房が脇の方に流れやすく、着用感が悪くなったり形崩れを起こしたりする原因となる。そこでカップから3cm位の位置に、ボーンと呼ばれる芯が入ることがある。
補正力が強いタイプに入っていることが多いが、ベルトが縦に曲がりにくくなるため、人によっては窮屈な感じを受ける事がある。ロングブラジャーなどの補正力を特に重視するタイプでは、ボーンの数も増し、窮屈感も増す。
ストラップによるヴァリエーション
乳房は、形状や大きさに個人差があると同様、胸郭前部のどのあたりに位置するのかでも個人差がある。発達期の少女のバストは脇に寄っており、乳房の形状も外向きに発達しているが、成人すると、バストは胸郭の前部に近寄って来る。しかしバストの底面が、胸郭前部の広がりのなかでどの辺りに位置するか、個人で差があり、肩・鎖骨に比較的近く高い位置にある人と、鎖骨と乳房上部のあいだにかなり距離があり、比較的に低い位置にある人がいる。
ストラップの長さ
このようなバストの上下での個人差を調整するため、ストラップには通常アジャスターが付いている。乳房の位置が高い人は、ストラップの長さを短くすることで、カップの位置を実際のバストの位置に合わせることができ、反対に低い位置にバストがある人は、ストラップの長さを長く調節することで、カップとバストの位置を合わせることが可能になる。普通は、ブラジャーを購入した後、最初に装着するときストラップの長さを決めると、あとはそのままで使用できる。
アジャスターの有無(通常付いている)
アジャスターの連続調整限界としてのストラップの最大長さ
アジャスターの位置
通常ストラップには左右一つずつアジャスターが付けられている。装着した後でもストラップの長さを調節し易いように、アジャスターは前部に付いているのが通常である。前述のようにアジャスターによるストラップの長さ調節は通常一度で完了するものであるが、アジャスターが背面に付いている製品もある。その理由としては、ストラップ前面に(リボンなどの)装飾があり前面にアジャスターを付けられない場合や、正面から見たときの美観のためなどが挙げられる。
ストラップ・アジャスターが胸部前面にあるもの(通常)
ストラップ・アジャスターが背面にあるもの
ストラップの前面結合位置
ストラップは通常幅1cmほどの平たい布の紐であるが、カップ部分の布と結合具で繋がっている。ストラップにはカップのどの辺りで繋がっているのかなど、ブラジャーのカップ設計と関係したヴァリエーションがある。基本的で古典的なものは、乳房のほぼ中心を上に延ばした位置に、ストラップの結合部分が来るものである。バストの重みを支えるために最適のバランスを求めた結果だと思われる。
ブラジャーはバストを支えると同時に、乳房の形や位置を補正するファンデーションでもある。ブラジャーは設計によっては、脇の下部分辺りより皮下脂肪を集め、乳房全体を胸部のより前へ、またより高く持ち上げるように、カップやベルトの形状が構成されているものがある。この場合、ストラップとカップの結合位置は、バストの中心の上ではなく、両脇にかなり寄った位置になる。両脇から上に持ち上げることで、乳房全体をより大きく、より胸部前方へと押し出す役割を持つのである。このようにして、自然な状態では明瞭でない「乳房のあいだの谷間」を構成することができる。
ストラップとカップの連結位置が、乳房中心上部近くに来るもの
ストラップとカップの連結位置が、左右の脇寄りとなっているもの
背面でのストラップ
ストラップはブラジャーのカップと繋がっていて、背中でそのままベルトと結び合わされる。しかし、これにも色々なヴァリエーションが存在する。ストラップは幅1cmほどの布紐が基本であるが、ファンデーションとしての安定性を高めるため、背面では幅が広くなり、ベルトと一体化しているものがある。
また、背中のベルトと恒久的に固定されているものと、留め具で結合位置を変えることができるものがある。女性でなで肩の人は、ストラップが肩から滑って外れることがあり、とりわけ、ストラップが胸部前面で左右脇に寄っていると、滑る可能性が極めて高くなる。これを防ぐため、ストラップのベルトとの結合位置を、より背中の中心に近い位置に調整できるようになっているものがある。バッククロスと呼ばれるストラップは、ストラップが背中でクロス形で交差している。この場合、なで肩の人でもストラップの滑り外れは起こらない。更に、ファッション性を重視して、ネックで回してストラップを一本にし、背中のベルトと結ばないスタイルのものもある。
通常の背中でストラップがベルトと結ばれるもの
ベルトと結ばれる位置で、ストラップの幅が広がったり、ベルトの幅が上向きに広がり一体化するもの
背中のベルトで、ストラップを結合する位置が選択できるもの
ストラップがバッククロスとなっているもの
ストラップがネックを回り、一本となっているもの
ストラップの取り外し
ファンデーションとしてのブラジャーのストラップは、バストを支え、また補正のためのカップ形状の設計などに応じ、上に引き上げることで力を加える目的がある。しかしブラジャーを構成する生地素材の発展とファッション性を求めて、ストラップを外すことが可能なようになっているブラジャーがある。ストラップがなくとも、ベルトやカップの素材や設計で、ブラジャーがずれることがないような場合は、ストラップはなくてもよいということにもなる。肩が露出する衣服の場合、ストラップがない方が望ましい。
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また、ストラップがなくともよいというのなら、必ずしもバストを支える目的のためでない、ファッションとしての見栄えを考えたストラップでも構わないことになる。色々な素材のストラップが考えられ、肩を露出させても目立たないシリコン製の半透明のもの、敢えて見せるおしゃれとして使用できるアクセサリーチェーンなども販売され始めている。これらのファッション・ストラップは単独で販売されており、手持ちのブラジャーのストラップと交換して楽しむことができる。
取り外し可能ストラップ
ファッション・ストラップ(各種素材で別売)
透明ストラップ(ビニール製)
ストラップレス
生地素材や設計により、ストラップなしでもブラジャーの機能が果たせる場合、ストラップは最初から必要がないとも言える。これらは広い意味で、「ストラップレスブラ」ということになる、ストラップレスブラは、最初からストラップがないことを前提に設計されており、これはストラップの取り外し可能ブラとは、また種類が異なっている。トポロジー的に円筒となるため、チューブとも呼ばれる。
ストラップレスブラに、ファッション性のため飾り目的でストラップが取り付け可能になっている場合があるが、この場合のストラップ取り外し可能ブラとの相違点は、取り外し可能ブラは、ストラップを前提に設計されているという点であると言えるだろう。取り外し可能ブラの場合は、個人によっては、ストラップを外すとブラが安定しないなどの問題が起こり得る。
ストラップレスブラ(ファッション・ストラップの取り付けが可能なもの)
純然としたストラップレスブラ
歴史
女性の胸部を覆うブラジャーのような下着は古代ギリシャにおいても、クレタ文明時のクレタ島やスパルタで着用されていたことが知られており、ゾナと呼ばれる一枚布の下着であった。
中国・内モンゴル自治区で、2004年に遼代の墳墓から、精巧な刺繍が施され、現代のブラジャーと酷似した形態でベルトに相当する部分とストラップに相当する部分のある、女性が胸部に着用した絹製の下着が発見された。
しかし現在のブラジャーの原型は、フランスで1889年にエルミニー・カドル(Herminie Cadolle)が最初のものを発明し、さらに現在の形に近いものが1913年2月12日にアメリカ合衆国でメアリー・フェルプス・ジェイコブ(Mary Phelps Jacob)によって発明、特許をとった。
戦中・戦後期において、専業主婦による裁縫技術の普及していた日本では自家製されることも多かった。
日本でのブラジャーの事始めは1951年にさかのぼり、ワコールがフロントホックタイプのものが国内にて出回るようになったのは1975年のこととなっている。
特殊用途のブラジャー
スポーツ用(スポーツブラ・女性用サポーター)
汗で蒸れないよう通気性や吸湿性に優れた素材(多くは綿)が使用され、また激しい動きに耐えられるように、伸縮性やストラップの形状などに配慮されている。ワイヤーやホックは擦れて肌を傷めるおそれがあるので、使用されていないタイプも多い。ホックの無い場合は頭からかぶって着用する。また、心拍計のセンサーを組み込んだものもある。
第二次性徴期用(ジュニアブラ)
第二次性徴期に入り、乳房が成長中に着用するブラジャー。
乳房は乳頭期→乳輪期(乳うん期)→乳房第一期→乳房第二期→成熟期(成長期)の順で成長していくため、各成長過程に対応したブラジャーが市販されている。ただし、乳頭期・乳輪期(乳うん期)に対応したブラジャーが市販されているメーカーは少数である。
ジュニア用のスポーツブラも多くのメーカーで市販されている。
産前・産後用
妊娠中は乳腺が発達し、短期間でカップやアンダーサイズが大きくなる。この時通常のブラジャーを使用していると、乳腺を圧迫し、母乳の出が悪くなってしまうことがある。このため、サイズアップに堪えられるワイヤーや伸縮性を持つ素材、また発達した乳房を支えられる強度のあるストラップが採用されている。
授乳の際にブラジャーを外す手間がかからないよう、カップの部分が取り外せるなどの工夫がなされている。
ブラジャーだけでなく、産前産後に適した機能を持つ下着を総称して、マタニティインナーとも呼ぶ。
結婚式用
上にドレスを着用するため、補正力が高く、ストラップの取り外しが可能なタイプが一般的。背中の開きが大きなドレスに対応した、バックレスと呼ばれるタイプもある。
一般的に色は純白だが、一部に青が入っていることがある。これは、「Something Four」と呼ばれる、花嫁が式の際に身に着けておくと幸せになれるという4つのアイテムの言い伝えの中に、「Something Blue(何か青い物)」があるため。
ブラジャーだけでなく、結婚式の際に花嫁が着用するのに適した機能を持つ下着を総称して、「ブライダルインナー」とも呼ぶ。
乳癌経験者用
乳癌などで乳房の一部または全部を切除した人、または治療で乳房の片方だけサイズが大幅に減少した人を対象にしたブラジャー。
大きなパッドでも入れやすいパッド受けがつき、手術痕にブラジャーが触れないようにデザインしてあるなどの工夫がなされている。
近年ではカップを省略した、ノーカップ(カップレス)ブラという新たなるブラジャーも出回っている(この場合、乳房の大部分が露出となる)。
男性用
「付けることで安心感がある」とネットショッピングで普及を見せており、カップの入っていないものも普及、また、コスプレをする際にも胸を作ると言う理由からカップの入っているブラジャーを用いることがある。
ブラジャーの選び方
ブラジャーの選び方には、主に2通りある。
デザイン、色、レースなどの素材やデザインを重視
下着自体をファッションととらえる風潮が一般的となっている。好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。
用途を考慮した、機能性重視による選び方
バストアップ ブラ :バストを大きく見せることを目的とされたブラ。実際にバストが大きくなるのではなく、カップに厚みをもたせたり、パッドを挿入することで大きく見せるブラジャーがたくさん販売されている。
Tシャツブラ : Tシャツに代表される体にぴったりとフィットするアウターを着用する際、ブラの形状が外側から目立たないようにデザインされたもの。多くはシームレスブラ(モールドカップブラ)である。
ブラジャーのサイズの選び方
ブラジャーのサイズ選びは、アンダーバストサイズ、トップバストサイズ、カップ容量で決まる(ただし、一部のジュニアブラは、トップバストサイズのみで決まる)。しかし、実際には、自分のサイズを正しく認識している人は少ない。
バストの変形や下垂などがある場合、直立した状態で正確なサイズとカップ容量を測ることができない。このため、これらの問題を抱える女性の相当人数[要出典]がブラジャーのサイズを間違っているか、または苦しい、違和感がある、肩こりがあるなどの理由でつけることをやめてしまうと言う人もある。
ブラジャーによるバストアップ
バストの項のバストアップを参照せよ。
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ブラジャーのトラブル
ストラップがずれる
ワイヤーが当たって痛い
市販のブラが合わない
自分に合うサイズが分からない
ブラジャーは身体に密着するため、僅かに胸に合わないだけでも窮屈だったり、時に痛みを覚えたりもする。身体に合わないブラジャーを着け続けると、こすれる部分に炎症が起きたり、将来的に胸の形が崩れたりする可能性もある。ブラジャーに違和感を覚えた場合は、恥ずかしがらずに購入した店の店員や、専門家に相談した方が良い。
また、金銭的に余裕があるのなら、オーダーメイドのブラジャーをメーカーに作成して貰うのも一つの選択肢である。